生活支援技術

という考え方に捉われていませんか?
問題59
終末期で終日臥床している利用者への便秘予防の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
1.水分摂取量を減らす。
2.腹部に冷罨法(れいあんぽう)を行う。
3.下剤を用いて直腸を定期的に刺激する。
4.座位姿勢を保持する機会を作る。
5.小腸に沿って腹部マッサージを行う。
オリジナル解説 by まぃせ
「終末期で」という文章の始まりに、一瞬惑わされますが、「終日臥床している利用者への便秘予防」と捉えて、冷静に各選択肢をみていきましょう。
1.水分摂取量が減ると、便に含まれる水分量も減るため、スムーズな排便が促されにくくなりますから、水分摂取量は減らすべきではないです。
2.
冷罨法とは…
コトバンクより引用
では、対義語の温罨法(おんあんぽう)とは…
患部を温める治療法。温湿布などの湿性温罨法と湯たんぽ・光線照射などの乾性温罨法がある。
コトバンクより引用
便秘予防では、腹部を温めることが効果的です。
温めることにより、血流が良くなり、腸の動きも良くなります。それによって、排便が促しやすくなるのです。
つまり、温罨法の方が適切ということです。
3.下剤を用いて排便を促す方法を定期的に実施することが必要な状態かどうか?
終末期では、毎日・毎食しっかりと食事を摂取できているとは限りません。
下剤を定期的に使用する前に、できる予防策をケアに取り入れることも、介護福祉職としては大切な視点だと考えます。
「最も適切かどうか」ということを考えると、他選択肢も確認した上で判断し、解答する必要があるでしょう。
4.この問題のポイントは、解説の冒頭でもお伝えした通り「終日臥床」という状況です。
終末期=終日臥床、という考え方は適切ではありません。
利用者個々の状態像にもよりますが、終末期でも上半身を起こして、座位姿勢で過ごす時間を作ることは大切です。
5.腹部マッサージは、「の」の字を書くような感じで…、と聞いたことがある、或いは実際に利用者に対して実施している受験生もいるでしょう。
これは、小腸ではなく、大腸の走行に沿わせているのです。
というわけで、正答は選択肢4となります。
この問題では、終末期かどうか、その時期を問われなくても正答を導くことができる内容だったように思います。
便秘予防の対応方法に関する知識を、この問題を用いて確認をするように学習しましょう。
便秘予防は試験頻出!
ちなみに、「便秘にならないための排便の介護」は試験では頻出傾向にありますので、確実に1点を獲得できるように備えておくとよいでしょう。
特に、
・活動性を向上させるような内容が含まれる選択肢(今回の正答のようなものも、活動性の向上といえます)
・食物繊維を多く含んだ食品の摂取
・トイレに座るようにする
といった、基本的なポイントは忘れないでおきたい点です。
第20回介護福祉士国家試験(筆記&実技)合格
未来の介護福祉士サポーター まぃせ