介護過程

どうやって見出すのでしょうか?
問題63
生活課題の優先順位を決定する上で、最も適切なものを1つ選びなさい。
選択肢
1.利用者が要望する頻度の多いものから決定する。
2.介護福祉職が評価しやすいものから決定する。
3.家族の負担が大きく軽減するものから決定する。
4.緊急性が高いものから決定する。
5.課題に取り組む準備期間が短いものから決定する。
オリジナル解説 by まぃせ
介護過程の第一段階「アセスメント」
アセスメントでは、
情報収集➡情報の分析・解釈・統合➡生活課題の明確化
という順を追っていきます。
アセスメントの目的は、介護福祉職の専門性のある判断によって、「利用者の生活課題を明確化させる」ということです。
明確化させた生活課題を解決するために、次の第二段階「介護計画立案」つながっていく、という手順となります。
このつながりを踏まえると、第一段階である「アセスメント」は計画の内容や支援を左右する重要なプロセスであると言っても過言ではありません。
また、アセスメントによって導き出される利用者の生活課題は、ひとつとは限りません。生活課題が複数の場合には、「何から解決すべきか?」優先順位を決定することが求められます。
優先順位を決める要素は?
では、優先順位は何を目安にしていくべきか、各選択肢をみていきながら確認していきましょう。
1.利用者からの要望が、必ずしも解決すべき生活課題とイコールするとは限りません。
生活課題とは、利用者が生活を送る上での困りごとや生活のしづらさを感じていることです。
例えば、何かしらの理由で歩行が不安定になってしまった利用者がいたとします。
利用者は「もう前みたいにはうまくは歩けないんだから、車椅子で生活していくよ…」と言ったとします。
「じゃあ、車椅子で移動することできるようになることが今後の課題ですね!」
…というわけにはいきませんよね。
「利用者はそう言っているけど、歩行能力自体はあるんだから、歩くことをあきらめないで生活の中でも少しずつ歩行に取り組んでいけば、車椅子だけに頼らず、自分の足で歩き続けながら生活を送ることができるかもしれない」と介護福祉職が分析する。
結果、生活課題は、「車椅子での移動」ではなく「歩行での移動」ということが見えてきます。
今の内容は、あくまで参考としての簡単な例ですから、あまり細かくは掘り下げていませんが、「うまく歩けない理由はなんだろう」ということを分析して、うまく歩けるようになるための課題を抽出していくことも、もちろん良いでしょう!
利用者の要望に耳を傾けることも大切ですが、その要望も情報に含めて分析し、介護福祉職の判断として生活課題を明確化させていくことが大切です。
2.生活課題は、利用者の望む生活や人生に向かっていくために解決すべき内容となります。介護福祉職主体で決定するものではありません。
3.選択肢2と同じようなことがいえます。家族介護者の介護負担の軽減が介護過程の目的ではありません。
「介護過程の目的」について確認!! ➡https://maitomoblog.com/介護福祉士試験-第31回-問題61-解答解説-2/
4.この選択肢の内容が、優先順位を決定する上で最も適切な内容です。
生命の安全や緊急性の高いものから優先し、決定していくこと、と覚えておきましょう。
5.準備期間にあまりに時間を要するようなことでは、課題解決への一歩が遅れてしまうので避けたいところではありますが、準備期間を最優先にして判断すべきではありません。
というわけで、正答は選択肢4となります。
優先順位の決定における3つの柱
①生命の安全 ②生活の安定 ③人生の豊かさ
また、「マズローの欲求階層説」も参考となります。

マズローの欲求階層説を参考にする場合には、「下位の欲求に向かっていくほど、優先順位が高くなる」というように見ていきます。
第20回介護福祉士国家試験(筆記&実技)合格
未来の介護福祉士サポーター まぃせ