発達と老化の理解

“高齢者”というだけでその印象を
ひと括りにしてしまっていませんか?
問題70
高齢者に対する次の見方のうち、エイジズムに該当するものを1つ選びなさい。
選択肢
1.心身機能の個人差が大きくなる。
2.視覚機能が低下する。
3.流動性知能が低下する。
4.認知機能が低下する。
5.頑固な性格になる。
オリジナル解説 by まぃせ
エイジズムとは…
エイジズムとは
“高齢者住宅仲介センターウチシルベ”ホームページより引用
エイジズムとは年齢差別、特に高齢者に対する偏見と差別のことです。高齢者を役に立たない無用なもの、あるいは能力の低下したもの、高齢者は十分な教育ができていないため、読み書きもできないといったステレオタイプでとらえ差別することです。その他にも、「高齢者は不健康」「高齢者が頑固」といったとらえ方もエイジズムということができます。
https://www.osumai-soudan.jp/column/column1019.html
「高齢者は●●」という一律的な考え方が強く押し出された見方ですね。
差別と聞くと、悪いイメージが強いですが、このエイジズムは考え方によっては肯定的な考え方もできます。例えば、高齢者への優遇です。バスの高齢者パスや高齢者の割引制度などです。その他にも、医療費の減免、介護保険なども上げられます。一見、差別のようにはみられませんが、これは高齢者であることを強調していることとなります。
“高齢者住宅仲介センターウチシルベ”ホームページより引用
https://www.osumai-soudan.jp/column/column1019.html
このように、肯定的に捉えることもできるんですね。
各選択肢を確認してみましょう。
選択肢1~4については、加齢に伴う機能低下の特徴的な内容になります。
選択肢5は、高齢者だからといって誰しもがそうなるわけではありませんが、高齢者だからという理由だけで決めつけられているので、エイジズムだと判断できます。
というわけで、正答は選択肢5となります。
この問題は、「エイジズムとは何か?」がわかっていないと、答えに苦しむような選択肢の内容だったと思います。
一方で、選択肢1~4の加齢に伴う機能低下の特徴的な内容についても、必ずおさえておきましょう。なぜならば、この科目名のとおり「老化の理解」について問われてくるからです。
加齢に伴う機能低下について問われた際に、例えば選択肢3のような内容では、「結晶性知能が低下する」といった選択肢が出現する可能性があります。結晶性知能は加齢に伴う低下はあまりみられないのが特徴的です。対して、流動性知能は、先ほどもお伝えしたとおり、加齢に伴い低下するといわれています。
「エイジズム」そして「加齢に伴う機能低下」
このふたつのポイントを、ぜひおさえておきましょう。
第20回介護福祉士国家試験(筆記&実技)合格
未来の介護福祉士サポーター まぃせ