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コミュニケーション技術科目 第31回介護福祉士国家試験 解答解説

【問題30】家族からの質問に対する応答

投稿日:2019年4月17日 更新日:

コミュニケーション技術

問題30・31の事例

Kさん(75歳、女性)は、小学校教諭を定年退職した後、しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが、認知症を発症し、介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。入所後、初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって、「ここで、国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて、介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から、「母が、学校で教えていると言った時、どうしたらよいでしょうか」と質問があった。

問題30

このときの、息子に対する応答として、最も適切なものを選びなさい。


※受験対策のためのプチレッスン

介護老人福祉施設とは、何の施設のことですか?解答はこのブログの一番下にあります。


選択肢

1.「ここは学校ではないので、息子さんから直してあげてください」

2.「お母さんの教員としての誇りを大切にしてあげてください」

3.「お母さんの認識を改めるための何か良い知恵はありますか」

4.「認知症が進行しているので仕方ありません」

5.「私たちも息子さんと同じように困っているんです」

オリジナル解説  byまぃせ

認知症者に対するコミュニケーション技術

これは、“認知症の方に対するコミュニケーション技術”を理解していれば答えられる問題です。
基本のひとつとして、“認知症の方がもつ世界観を受容する”という考え方があります。

Kさんの場合は、小学校教諭の経歴がありました。
退職をされ、介護老人福祉施設に入所した今になっても、認知症のKさんにとっては小学校教諭のままでいるという状況がうかがえます。
それがKさんが生きている世界観です。そして、それを受容してあげることが大切です。
否定をすれば、世界観が壊れ、困惑し、混乱するでしょう。
認知症の周辺症状であるBPSDの悪化も招くことになるでしょう。

コミュニケーションにおける留意点

Kさんの小学校教諭という経歴は、ICFの構成要素では“個人因子”に当てはまります。
その方個人がもつ因子を把握した上で、尊厳を保ちつつ、コミュニケーションを図ったりケアを行っていくことが大切です。(こう考えると、認知症の方に限らず、誰に対しても大切なコミュニケーションにおける留意点ともいえます。)

各選択肢を見てみると…

認知症の方の中には、Kさんのように過去のことが現実世界にも存在していると認識して生きている方がいますから、現実と違うからといって、選択肢1や3のように受容を妨げる方法をとるのではなく、選択肢2のように「ここで、国語を教えているの」と嬉しそうに語るKさんの世界観を受容することが大切な視点だといえます。

選択肢4では、「認知症が進行している状態で~」といった状況説明をすること自体は実際にもあると思います。しかしながら、それはあくまで状況説明であって、「仕方ありません」というオチのためではないです。
更に、この事例においては、「母が、学校で教えていると言った時、どうしたらよいでしょうか」という対応の相談であって、決して対応を諦めているわけではありませんよね。
ですから、選択肢4は不適切ですし、仮に状況を説明する場面があったとしても「仕方ありません」という言葉を介護福祉職が発することに疑問をもたなければなりません。

選択肢5では、息子の話に同感、だけでなく「困っている」まで言い切ってしまっています。専門職として、あるべき姿とは言えません。
なんのために介護老人福祉施設というところに生活の場を移したのか、そこには介護のプロがいるはずなのではないか、ということにもなり兼ねない、介護福祉職のプロ意識という部分が疑われるような応答だともいえます。

というわけで、正答は選択肢2となります。

試験全体を通して、認知症に関する問題はかなり多く出題されます。
コミュニケーション技術科目においても対策をしっかりとっておくことが大切です。

未来の介護福祉士サポーター まぃせ

※第20回介護福祉士国家試験(筆記&実技)合格


※プチレッスンの答え

介護老人福祉施設とは、特別養護老人ホームのことです。介護老人福祉施設ってなんだろう?というままで事例や問題を理解しようとしても、正確なイメージや正答につながらないことがあります。しっかり覚えておきましょう!


-コミュニケーション技術科目, 第31回介護福祉士国家試験, 解答解説
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