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コミュニケーション技術科目 第31回介護福祉士国家試験 解答解説

【問題31】ボディタッチ

投稿日:2019年4月23日 更新日:

コミュニケーション技術

問題30・31の事例

Kさん(75歳、女性)は、小学校教諭を定年退職した後、しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが、認知症を発症し、介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。入所後、初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって、「ここで、国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて、介護福祉職のところに相談したいとやって来た。困惑したような表情の息子から、「母が、学校で教えていると言った時、どうしたらよいでしょうか」と質問があった。

問題31

Kさんの病状は進み、自分から話すことはほとんどなくなり、こちらの問いかけにも応えたり応えなかったり、という状況になった。このようなKさんとコミュニケーションをとる方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

選択肢

1.沈黙を守る。

2.表情を一定に保つ。

3.開かれた質問を使う。

4.ボディタッチを増やす。

5.コミュニケーションノートを使う。

オリジナル解説  byまぃせ

解釈

「Kさんの病状は進み…」というのは、事例の内容から認知症の進行を表しているものだと判断できます。
認知症が進行してきて、自発的なコミュニケーションが減ってきていると思われるKさんに対して、選択肢の中からどれを選ぶか、ということです。

各選択肢を見てみると…

1.沈黙を守る。⇒「自分から話すことはほとんどなくなり…」という方に対して沈黙を守るということは、コミュニケーションの適切な手段とはいえませんので、×です。

2.表情を一定に保つ。⇒円滑なコミュニケーションを図る上では、「表情」といった非言語的コミュニケーションの活用も非常に大切ですよね。非言語的コミュニケーションの活用では、穏やかな表情や笑顔などが話し相手の安心感につながります。ですから、話し相手の安心感につながるような表情であることが、円滑なコミュニケーションを図る上では大切だということです。
では、選択肢の「表情」が穏やかな表情、或いは笑顔であったらいいのだろうか。
ここで気になるのが、「一定に保つ」という表現。
自発的なコミュニケーションが減ってきているKさんに対して、「一定の表情」で対話すべきか。反応が少なくなっているからこそ、豊かな表情を用いて、刺激となるように働きかけることが大切なのではないでしょうか。よって、×です。

3.開かれた質問を使う。⇒今のKさんに「たくさん話してもらおう」とアプローチしても難しい状況だと捉えることができます。よって×です。


受験対策のためのプチレッスン

運動性失語症の方へは、開かれた質問と閉じられた質問、どちらが有効でしょうか?解答はこのブログの一番下にあります。


4.ボディタッチを増やす。⇒認知症ケアの考え方に「ユマニチュード」というコミュニケーションを重視したケア手法があります。その中で、ボディタッチを活用することも手段のひとつとして挙げられています。これは、ボディタッチをすることで、親しみを感じてもらう・気持ちをほぐすといった作用を期待するものです。
ただし、やみくもに触ればいいというわけではないことは、もちろんお分かりだと思います。
下記に、ボディタッチの活用における留意点の記事を引用するので、ご覧いただき、ぜひ活用してみてください。

・「触れる」:声がけしながら
適度なボディタッチは、親しみをあらわしたり、気持ちをほぐすことにつながります。介護される人に安心感を与える上で、ユマニチュードにもボディタッチが取り入れられています。介助をする際に、介護される本人の手や背中などあまり敏感でない部分を手のひらでそっと包むような感じで触れるようにしましょう。
そのときに注意したいのが、必ず本人の視界に入りおだやかに話しかけながら触れること。背後から、また無言でいきなり触ってしまうと、驚かせたり、不安にさせるなど、逆効果になってしまいます。腕などを「つかむ」ことも厳禁です。
安否確認LABOホームページ 【ユマニチュードってなに?話題の認知症ケアを探る】より引用

5.コミュニケーションノートを使う。⇒言葉だけではコミュニケーションにならない方に対して用いるものです。「会話ノート」ともいいます。
今のKさんの状態は、言葉だけでのコミュニケーションを補助するものが必要、というよりは、話をしてもらうことや問いかけに応じてもらえるように働きかけるコミュニケーション方法を工夫していくことが優先となりますから、×となります。

というわけで、正答は選択肢4となります。

コミュニケーションというと、言葉或いは文字という言語的なやりとりがすぐに思い浮かびますが、そのやりとりを円滑するためには表情やしぐさ、姿勢などの非言語的コミュニケーションを大切にしなければなりません。
日頃のコミュニケーションの場面を思い浮かべながら、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションについて受験対策をしておくと理解しやすいと思います。

未来の介護福祉士サポーター まぃせ

※第20回介護福祉士国家試験(筆記&実技)合格


※プチレッスンの答え

運動性失語症の方には閉じられた質問が有効です。これは、「はい(Yes)」または「いいえ(No)」で簡潔に答えることができる質問の方法になります。


-コミュニケーション技術科目, 第31回介護福祉士国家試験, 解答解説
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