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生活支援技術科目 第31回介護福祉士国家試験 解答解説

【問題51】腹圧性尿失禁の利用者への対応

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生活支援技術

加齢や疾病などによる機能低下により、様々な排泄障害を引き起こします。
排泄障害があっても、介護福祉職は介護の基本原則を踏まえながら、
利用者の快適な排泄を支えることができるようにしていかなければなりません。

問題51

 Cさん(81歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。腹圧性尿失禁があり、トイレでの排泄や下着の交換には介護が必要だが、遠慮して下着の交換を申し出ないことがある。食堂で昼食をとっている最中に激しくむせ込んでいたので背中をさすったところ、むせ込みは収まったが失禁をしたらしく、周囲に尿臭が漂った。

 このときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

選択肢

1.尿臭がすることを伝える。

2.下着が濡れていないかと尋ねる。

3.むせた時に尿が漏れなかったかと尋ねる。

4.トイレに誘導して、下着を交換する。

5.Cさんが下着を替えてほしいと言うまで待つ。

オリジナル解説 by まぃせ

排泄の介護で大切なことのひとつとして、プライバシーの保護をして、利用者の尊厳に十分配慮をするということが挙げられます。

それを踏まえると、選択肢1.2.3、そして、周囲に尿臭が漂っている状態を考えると選択肢5も含めて、いずれも最も適切とは言えません。

その中で、選択肢3については、腹圧性尿失禁の特徴をおさえていれば、そもそもこういった聞き方にならないだろう、とも言えます。

また、選択肢5では、遠慮して下着の交換を申し出ないことがあるCさん状態像を考慮すると、「尿失禁をしていると判断できるような状態をそのまま放置している」とも捉えられ兼ねません。

これは、「介護放棄」という虐待の種類のひとつにも当てはまります。

尊厳を保持し、必要な介護を適切に実施する上では、選択肢4が最も適切だと言えます。

というわけで、正答は選択肢4となります。

利用者の状態に応じた適切な介護について問われる問題は、この科目では多く出題される傾向があります。

今回のような尿失禁が絡んだ事例については、まずは、尿失禁の種類と特徴をおさえておくことが鍵となります。

下記を参考にしていただきながら、ご自身の学習で要点をしっかり整理しておきましょう。

尿失禁の種類

尿失禁の種類で代表的なのは、下記の4つのタイプです。

・切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)

 急に排尿をしたくなり、結果的に我慢できず漏れてしまう状態。膀胱に尿を溜めておくことができないため、失禁してしまう。

・腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)

 咳やくしゃみ、むせる、重い物を持つなどをしてお腹に力が入ったとき(腹圧がかかったとき)に尿が漏れてしまう状態。骨盤底筋が弱くなったことによって生じるので、骨盤底筋訓練を実施し、尿失禁の状態改善或いは予防をする。

・溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

 尿が出きらず、膀胱に残尿がいっぱいになって溢れるように漏れてしまう状態。代表的な原因疾患のひとつとして、前立腺肥大症がある。

・機能性尿失禁(きのうせいにょうしっきん)

 認知症やADL低下などによって、排泄行為が困難になったり、トイレの場所がわからなくなってしまったりして、失禁してしまう状態。トイレの場所がわかりやすいようにする、などの支援が求められる。

「こころとからだのしくみ」科目と併せて学習をすると、理解が深まると思います。

尿失禁については、その特徴を問われる、或いは今回の問題のように利用者の状態像として出題される、など、頻繁に出題される傾向があるので、しっかりおさえておき、確実に得点できるように備えておきましょう。

第20回介護福祉士国家試験(筆記&実技)合格

未来の介護福祉士サポーター まぃせ

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